妹背山海禪院多宝塔地下石室第2次経石調査概要

1.経石調査の目的
 妹背山護持顕彰会は、海禪院伽藍を再建整備するにあたり、その歴史的意義付けを行うため、海禪院多宝塔地下石室の経石調査を実施し、養珠院(お万の方)の経石埋納の意義を明らかにします。併せて和歌浦の歴史的景観保存とその活用を図ります。今回の経石調査にあたり、和歌山南ロータリーから物心にわたる援助を得ました。

2.調査
(1)調査員  指導:菅原正明   調査員:ボランティア他51名
(2)期 間  10月2日(土)から31日(日)まで

3.多宝塔地下の石室
 石室は妹背山の中腹に竪穴を掘り下げて石室を構築したもので、東西:2.10m、南北:1.64mであり、石室の深さは3m以上ある。

4.経石
 今回、取り上げた経石の総数は、およそ6万個で、その多くは、題目(南無妙法蓮華経)が書写されているが、『法華経』の句を書写したものもある。名前を彫りこんだ経石(浄圓善生)もある。僧侶の他に尼僧も題目を書写している。大和・播磨・河内・伏見等の地名も見られる。また、書写した人々の祖先供養の願文もある。
 朱書き題目が1点見つかった。経石の1/3は、墨書が極めて薄くなっており、読めない。題目で塔を書写したものもある。経石の3/4は緑泥片岩であり、大半が和歌山で書写されたものである。

5.備前焼甕を発見
甕と蓋石 今回、石室の上部から3m下げたところ、石室の中央部で南北に据えられた備前焼甕を2個発見した。この備前焼甕の胴部の最大径は52cm、高さ65cmあり、砂岩製の石蓋(直径56cm)をしている。この中に経石が納められていた。
 北側の2号甕には口まで一杯に経石が納められていたが、南側の1号甕には経石が半分ほど納められていた。経石の数は合わせて1200個近いものと思われる。また黒石に書写された一字一石経(直径3cm程度の扁平な小石)が多数ある。
1号甕内の経石 両甕には『法華経』の句が多い。また2号甕内の経石「右奉書写意趣者為東照大権現宮疾期佛恵也」(前に「法華経」随喜功徳品の句がある)は誰によって書写されたのか注目される。2号甕内の経石







6.石函を発見
石函発見 両甕の東側に近接して石函を発見した。石函は砂岩一石造り(東西44cm、南北49cm、深さ25cm で蓋付)、蓋の内側に中性院日護が記した陰刻の銘文があり、これによりこの函中に後水尾上皇・皇后の宸翰石があると見られる。
函中には経石が120個程度納められており、加工した経石も見られる。経石の墨書はきわめて薄い。
 今回見つけた「石函」は『紀伊續風土記』第一輯、和歌浦二重寶塔に記された 石函の蓋をとる
「これを納む宸筆の片石は石函に盛て中央にありといふ」 石函蓋の内面銘文
に当たり、今回見つけた甕・石函は、石室の真ん中位に据えられているものとみられる。このことより、経石は、さらに深さ2m以上残っているものと推測される。

7.経石と応急整理と今後の調査予定
 先に石函及び甕内の経石を主に整理し、上皇・皇后の宸翰石の確認を行うと伴に甕中の経石を書写した人々について検討する。次回の経石調査では、まだ見つかっていない養珠院及び徳川頼宣等の経石がどのような形で埋納されているのかを確認する。

 

経石調査の様子はこちら

 

小中学校「経石調査見学会」 中止のお知らせ

 本会では平成16年9月2日付にて、和歌山市内小中学校宛に児童生徒の皆さんの 『経石調査見学会』のご案内をさせて頂きましたが、去る8月30日の台風16号による 「妹背山三段橋欄干」 の被害調査を受け、万が一の事故を考慮し、中止を決定致しました。
 『見学会』 は、次年度予定の 『第3次調査』 の際に、あらためて開催致しますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
■ 朝日新聞 平成16年9月15日 記事


小中学校 「経石整理学習会」 実施のお知らせ

 『第2次調査』 終了後の11月以降、市内小中学校を対象に、同調査で取り上げた経石を持参して 『経石整理』 の訪問実習を実施致します。
 経石を実際に手に取り、歴史と文化を学習する絶好の機会ですので、是非、会事務局宛、お問い合わせ、お申込み下さい。
 事務局メールはこちら ⇒  kaizen-in@snow.odn.ne.jp

 

ボランティア参加者芳名簿

平成16年10月2日(土)~31日(日)の第2次経石調査にご参加いただきました、ボランティアの方々をご紹介いたします。(敬称略・順不同)

調査指導……菅原正明(顧問)      専任調査員……5名

顕彰会準会員・一般(22名)
和歌山南ロータリークラブ(20名)
顕彰会正会員・顧問(9名)
御前 陽子   山本 祐佳   井口 廣昭   生駒 直也   松本 惠昌 (会長)
堀田 めぐみ   森山 里美   岩崎 光廣   大山 典男   松本 惠裕 (副会長)
中屋 初美   澤田 隆二   梶岡 良造   樫畑 国俊   中尾 安希 (顧問)
澤田 美智子   小原 理孝   片桐 牧   北畑 万寿一   松本 敬子 (監査)
上硲 昌子   松谷 冨美代   島村 辰彦   瀧本 幹之   松本 千尋 (会計)
鉄沢 里次   野田 理   堤 昌男   成瀬 宏治   小林 護  
宮脇 範年   前島 ヒロム   野村 壮吾   前田 耕道   田中 利明  
Ganie   中村 和子   山田 和毅   山田 昭子   田中 照美  
石垣 美恵子   権出 佳誉子   山中 静   西村 雅臣   小川 タエ子  
出口 薫   三木 菊夫   長井 一朗   岩橋 健      
窪田 惇巳   大林 某              
               
ボランティア 計51名
               
(延べ 277名)


■ 第二次経石調査の記事がわかやま新報に掲載されました。

■ 第二次経石調査ボランティア募集の記事がリビング和歌山とニュース和歌山に掲載されました。
■ 第二次経石調査の記事が毎日新聞に掲載されました。
■ 第二次経石調査の記事が朝日新聞に掲載されました。
■ 第二次経石調査の記事がリビング和歌山に掲載されました。
■ 第二次経石調査の記事がニュース和歌山に掲載されました。